Nさんメジャーで泣尺 後編
我らが定宿、人吉の三浦屋旅館。
ここで働かれている皆さんに良くしてもらってます。いつも有難うございます。特に、たぶん最年長?のNさんには大変お世話になってます。このNさん、長年我ら釣り人が釣った鮎を見られているせいか、特技は鮎を見るとその大きさが判る事です。勿論、何センチ、何ミリと正確な長さは判らないそうですが、尺有るかどうかは判るそうです。我々はNさんに鮎の大きさを測定してもらうことを、「Nさんメジャー」と呼んでます。
さて、さて、熊太郎で釣った巨鮎は、尺越えか?
わくわくして旅館に帰り、Nさんを探して鮎を見てもらいます。
「Nさん、これは尺有るやろ?」
じっと鮎を見て、…………………….「無(な)か!」の一言。
「えっ」と、こちらも一言。
メジャーの判定が下りました。尺は有りません。
泣尺です。
Nさんメジャーのルールでは、「尺有り」と判定が下って、初めて鮎の長さを測定することができます。「尺無し」の判定だと、判定に不服であっても鮎を測定することはできません。Nさんの判定は、メジャーリーグの審判員のごとき、絶対です。
今シーズンは、Nさんメジャーで、記録係と漁労長が「尺有り」の判定でした。測定してみると、どちらも31センチです。さすが神の目を持つ、Nさんメジャー。
これは記録係の尺鮎です。
私も来シーズンは「尺有り」と判定されるように頑張ります。